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タイおよび東南アジア諸国 土壌・地下水の汚染調査・対策

タイ 土壌・地下水の調査および対策

 日本の典型七公害の一つに数えられる土壌汚染やそれに伴う地下水汚染は、環境面のみならず事業の継続性や金銭的な面においても、事業者に大きなリスクをもたらします。土壌汚染の多くは、土地の表面ではなく、目に見えない土壌の深いところで発生します。地下水汚染も、地表を見てすぐにわかるものではありません。従って土地や工場などの不動産の売買や賃貸に伴う契約時には発見されず、実際の開発や工事開始後に発見されることが多くあります。その結果、土壌汚染対策や浄化工事のために当初の予定を上回る費用や時間が発生したり、あるいは売主や買主、仲介者の間でのトラブルに発展することもあります。そのため、不動産の取引や企業買収(M&A)の際には、事前に土壌や地下水の調査を行い、状況を把握しておくことが重要になります。

 かつて、タイや東南アジアに進出する多くの企業の間で、工場進出に際して土壌や地下水の調査を行うことはそこまで一般的ではありませんでした。しかし、タイでは2016年に特定12業種の工場を対象とした土壌汚染および地下水汚染に関する規制が制定され、規制対象に該当する場合はもちろん、規制対象外の工場や市街地のコンドミニアム開発などでも土壌や地下水の汚染調査を行うケースが増えてきています。今後も進出が見込まれる食品分野の工場も、多くの企業が進出に際して土壌や地下水の状況を事前に調査しています。

 グリーンアンドブループラネットソリューションズでは、すでに進出されている工場や新たに進出される製造業、不動産開発業等のお客様向けに、土壌地下水調査を提供しています。法令に基づく実施義務があるかどうかの確認から、観測用の井戸の設置、土壌および地下水試料の採取・分析、政府に提出する報告書の作成(タイ語)および提出、当局担当者との調整・折衝まで、一貫してサポートしております(日本語、タイ語対応可)。

 お困りの方はまずはお気軽に弊社までお問合せください。なお、弊社の実績については、こちらよりご参照ください。

 

土壌汚染・地下水汚染に関する法規制

 タイでは、国家環境保全推進法(Enhancement and Conservation of National Environmental Quality Act, B.E. 2535 (1992)および工場法(Factory Act, B.E. 2535 (1992))よって、土壌および地下水の汚染を規制しています。

環境基準

 国家環境保全推進法は、国家環境委員会(NEB)に対して各種環境基準を定める権限を付与しており(第32条)、本法の下で土壌環境基準および地下水質基準が策定されています。また、環境影響評価制度(EIA)では、そのスコープに土壌汚染が入っており、EIA委員会の判断により定期的な土壌汚染または地下水汚染調査の義務が課される場合があります。

タイの土壌環境基準

No.

項目

単位

基準値

①居住地・農業用地

②その他(工業用地など)

1

Volatile Organic Compound

1)

Benzene

mg/kg

6.5

15

2)

Carbon Tetrachloride

2.5

5.3

3)

1,2-Dichloroethane

3.5

7.6

4)

1,1-Dichloroethylene

0.5

1.2

5)

cis-1,2-Dichloroethylene

43

150

6)

trans-1,2-Dichloroethylene

63

210

7)

Dichloromethane

89

210

8)

Ethylbenzene

230

230

9)

Styrene

1,700

1,700

10)

Tetrachoroethylene

57

190

11)

Toluene

520

520

12)

Trichloroethylene

28

61

13)

1,1,1-Trichloroethane

630

1,400

14)

1,1,2-Trichloroethane

8.4

19

15)

Total Xylenes

210

210

2

Heavy metals

1)

Arsenic

mg/kg

3.9

27

2)

Cadmium and compounds

37

810

3)

Hexavalent Chromium

300

640

4)

Lead

400

750

5)

Manganese and compounds

1,800

32,000

6)

Mercury and compounds

23

610

7)

Nickel

1,600

41,000

8)

Selenium

390

10,000

3

Pesticides

1)

Atrazine

mg/kg

22

110

2)

Chlordane

16

110

3)

2,4-D

690

12,000

4)

DDT

17

120

5)

Dieldrin

0.3

1.5

6)

Heptachlor

1.1

5.5

7)

Heptachlor Epoxide

0.5

2.7

8)

Lindane

4.4

29

9)

Pentachlorophenol

30

110

4

Others

1)

Benzo (a) pyrene

mg/kg

0.6

2.9

2)

Cyanide

11

35

3)

PCBs

2.2

10

4)

Vinyl Chloride

1.5

8.3

 

工場に課される土壌・地下水のモニタリング義務について

工場法(Factory Act, B.E. 2535 (1992))は、近年の土壌・地下水汚染に対する関心の高まりを受けて、2016年4月に工業省令:仏暦2559年(2016年)工場敷地内の土壌及び地下水の汚染管理を公布しました。本法およびその下位法令により、特定事業を営む既存の工場および新たに設立される工場は、定期的に土壌および地下水の汚染状況を確認し、工業省に報告することが義務付けられました。なお基準超過が認められた場合には、対策を講じることが求められます。

規制対象事業者:

土壌・地下水汚染に係る法令の義務が課される特定事業者は、工業省令にて定められる以下の12業種に該当する工場です。なお、記載の番号(No.)は、工場法に基づく産業分類番号であり、工場のライセンスに記載されています。

 

No. 

工場法に基づく工場の区分または種類

規模

1

No.22 織物、糸、又は非アスベスト(Asbestos)繊維に関する工場

(1)    繊維の発酵、炭化、解きほぐし、梳き、圧延、紡績、加熱、撚り合せ、巻き付け、紡ぎ、織り込み、漂白、染色

(2)    機織又は機織のための縦糸の準備

(3)    糸又は織物の漂白、染色、仕上げ

(4)    織物の模様入れ

第3種工場

2

No.38 パルプ又は紙の製造工場

(1)    木又は他の材料からのパルプ製造

(2)    紙、ボール紙、繊維(Fibre)でできた建築用途の紙又はファイバーボード(Fibreboard)の製造

第3種工場

3

No.42 化学品、化学物質、又は肥料以外の化学材料に関する事業の工場

(1) 化学品、化学物質、化学材料の製造

(2) 有害化学品に限定した保管、搬送、分離、選定、分包

第3種工場

4

No.45 塗料(Paints)、ワニス、セラックニス、ラッカー等製品に関する事業の工場

(1)    塗布、スプレー、又はコーティングに使うための塗料の製造

(2)    ワニス、シンナー又は塗料洗浄溶液の製造

(3)    セラックニス、ラッカー又は塞ぐ若しくは詰める用途のための製品の製造

第3種工場

5

No.48 化学製品に関する事業の工場

(1)    家具又は金属の艶出し剤、蜜ろう又は建物の仕上げ剤の製造

(2)    消毒剤又は脱臭剤の製造

(3)    保水用製品、湿潤剤製品、乳化剤製品、浸透剤製品(Wetting Agents, Emulsifiers or Penetrants)、密封又は貼付けに用いる製品、混ぜ物として用いる製品(Sizes)、植物、動物又は他の製造源から得られるプラスチックでできた、歯の穴の充填剤(Dental Cement)として用いる製品以外の接合物又は充填物として用いる製品(Cements)の製造

(4)    マッチ、火薬又は花火の製造

(6)    インク又はカーボンブラックの製造

(12)  金属、油又は水と使用するための製品(Metal, Oil orWater Treating Compounds)、感光体でできたフィルム、紙 、 布 な ど の 光 化 学 製 品 (Prepared Photo-Chemical Materials or Sensitized Film, Paper or Cloth)の製造

第3種工場

6

No.49 石油精製工場

第3種工場

7

No.60 鉄又は鋼鉄以外の金属の精錬、混合、純化、熔解、鋳造、圧延、引延し又は初期段階の製造に関する工場

第3種工場

8

No.74 電気器具に関する事業の工場

(1)    電球又は照明器具の製造

(4)    化粧タイル又はガラス以外の電気絶縁物又は電気絶縁物となる資材の製造

(5)    湿式又は乾式の電池又はキャパシター及びそれら製品の部品の製造

第3種工場

9

No.100 製品又は製品の構成要素の装飾又は特性変更に関する事業の工場

(1)    色の塗布、スプレー又はコーティング

(2)    セラックニス、ラッカー又はその他のニスの塗布、スプレー又はコーティング

(5)    表面被覆(Plating, Anodizing)

第3種工場

10

No.101 中央廃棄物処理施設

第3種工場

11

No.105 廃品又は不用品の分別又は埋立てに関する事業の工場

第3種工場

12

No.106 工業製品の不用品又は工場から出る廃棄物を、工業的製造工程を経て原材料又は新製品に再生する事業の工場

第3種工場



規制対象物質および基準値:

土壌および地下水に関する126の規制項目および基準値は、工業省令の下位法令である”工業省告示:仏暦2559年(2016年)土壌及び地下水の汚染基準、土壌及び地下水の質的検査、土壌及び地下水の情報の届出並びに質的検査結果報告書の作成、土壌及び地下水の管理対策及び汚染軽減対策提案報告にて規定されています。

工場法に基づく工業省令が定める土壌および地下水の汚染基準 Soil & Groundwater Contamination Standard in THAILAND

No. 物質名 Prameter

CAS登録番号

(CAS No.)

汚染基準 Standard
土壌
Soil (mg/kg)
地下水
GW (mg/ℓ)
1 アセナフテン(Acenaphthene) 83-32-9 1,000 140
2 アセトン(Acetone)又は2-プロパノン(2-Propanone) 67-64-1 1,000 230
3 アルドリン(Aldrin) 309-00-2 0.1 0.003
4 アントラセン(Anthracene) 120-12-7 1,000 72
5 アンチモン(Antimony) 7440-36-0 1,000 1.0
6 砒素(Arsenic) 7440-38-2 27 0.1
7 アスベスト(Asbestos*) 1332-21-4 1.0
8 アトラジン(Atrazine) 1912-24-9 110 0.02
9 バリウム(Barium) 7440-39-3 1,000 160
10 ベンゾ(a)アントラセン(Benz(a)anthracene) 56-55-3 5.5 0.01
11 ベンゼン(Benzene) 71-43-2 15 0.2
12 ベンゾ(b)フルオランテンBenzo(b)fluoranthene) 205-99-2 2.2 0.1
13

ベンゾ(k)フルオランテンBenzo(k)fluoranthene

207-08-9 22 0.7
14 安息香酸(Benzoic acid) 65-85-0 1,000 100
15 ベンゾ(a)ピレン(Benzo(a)pyrene) 50-32-8 2.9 0.01
16

ベンゾ(ghi)ペリレン(Benzo[g,h,i]perylene)

191-24-2 1,000 72
17 ベリリウム(Beryllium) 7440-41-7 13 0.01
18

ビス(2-クロロエチル)エーテル(Bis(2-chloroethyl)ether)

111-44-4 52 0.04
19

ビス(2-エチルヘキシル)フタレート(Bis(2-ethylhexyl)phthalate)

117-81-7 117 3.5
20

ブロモジクロロメタン(Bromodichloromethane)

75-27-4 426 0.8
21 ブロモホルム(Bromoform)又はトリブロモメタン(Tribromomethane) 75-25-2 1,000 6.0
22 ブタノール(Butanol) 71-36-3 1,000 240
23

ブチルベンジルフタレート(Butyl benzyl phthalate)

85-68-7 0.3 48
24 カドミウム(Cadmium) 7440-43-9 810 2.0
25 カルバゾール(Carbazole) 86-74-8 82 2.0
26 二硫化炭素(Carbon disulfide) 75-15-0 30 4.0
27 四塩化炭素(Carbon tetrachloride) 56-23-5 5.3 0.4
28 クロルデン(Chlordane) 57-74-9 110 0.04
29 パラクロロアニリン(p-Chloroaniline) 106-47-8 325 9.5
30 クロロベンゼン(Chlorobenzene) 108-90-7 460 48
31

クロロジブロモメタン(Chlorodibromomethane)

124-48-1 20 0.6
32 クロロホルム(Chloroform) 67-66-3 1,000 8.0
33 2-クロロフェノール(2-Chlorophenol) 95-57-8 420 12
34 クロム(Chromium) 7440-47-3 640 6.0
35 クロム(III)(Chromium (III)) 16065-83-1 1,000 40
36 クロム(VI)(Chromium (VI)) 18540-29-9 640 6.0
37 クリセン(Chrysene) 218-01-9 220 7.0
38 シアン化物(Cyanide) 57-12-5 35 5.0
39 2,4-D(2,4-D) 94-75-7 12,000 12
40 DDD(DDD) 72-54-8 7.0 0.2
41 DDE(DDE) 72-55-9 0.001 0.1
42 DDT(DDT) 50-29-3 120 0.1
43

ジベンズ(a,h)アントラセンDibenz(a,h)anthracene

53-70-3 0.22 0.01
44

ジノルマルブチルフタレート(Di-n-butyl Phthalate)

84-74-2 1,000 24
45 1,2-ジクロロベンゼン(1,2-Dichlorobenzene) 95-50-1 1,000 21
46 1,3-ジクロロベンゼン(1,3-Dichlorobenzene) 541-73-1 1,000 21
47 1,4-ジクロロベンゼン(1,4-Dichlorobenzene) 106-46-7 1,000 0.2
48

3,3-ジクロロベンジジン(3,3-Dichlorobenzidine)

91-94-1 4.0 0.1
49 1,1-ジクロロエタン(1,1-Dichloroethane) 75-34-3 1,000 24
50 1,2-ジクロロエタン(1,2-Dichloroethane) 107-06-2 7.6 0.5
51 1,1-ジクロロエチレン(1,1-Dichloroethylene) 75-35-4 1.2 0.1
52

cis-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-Dichloroethylene)

156-59-2 150 2.0
53

トランス-1,2-ジクロロエチレン(trans-1,2-Dichloroethylene)

156-60-5 210 5.0
54 2,4-ジクロロフェノール(2,4-Dichlorophenol) 120-83-2 254 7.2
55 1,2-ジクロロプロパン(1,2-Dichloropropane) 78-87-5 92 0.7
56 1,3-ジクロロプロパン(1,3-Dichloropropane) 142-28-9 462 72
57 1,3-ジクロロプロペン(1,3-Dichloropropene) 542-75-6 13 0.3
58 ディルドリン(Dieldrin) 60-57-1 1.5 0.003
59 ジエチルフタレート(Diethyl phthalate) 84-66-2 1,000 30
60 2,4-ジメチルフェノール(2,4-Dimethylphenol) 105-67-9 1,000 48
61 2,4-ジニトロフェノール(2,4-Dinitrophenol) 51-28-5 162 5.0
62 2,4-ジニトロトルエン(2,4-Dinitrotoluene) 121-14-2 2.5 0.1
63 2,6-ジニトロトルエン(2,6-Dinitrotoluene) 606-20-2 2.5 0.1
64

ジノルマルオクチルフタレート(Di-n-octyl phthalate)

117-84-0 1,000 48
65 エンドスルファン(Endosulfan) 115-29-7 485 14
66 エンドリン(Endrin) 72-20-8 25 1.0
67 エチルベンゼン(Ethylbenzene) 100-41-4 230 2.0
68 フルオランテン(Fluoranthene) 206-44-0 1,000 48
69 フルオレン(Fluorene) 86-73-7 1,000 48
70 ヘプタクロル(Heptachlor) 76-44-8 5.5 0.01
71 ヘプタクロルエポキシド(Heptachlor epoxide) 1024-57-3 2.7 0.01
72 ヘキサクロロベンゼン(Hexachlorobenzene) 118-74-1 1.0 0.03
73

ヘキサクロロ-1,3-ブタジエン(Hexachloro-1,3-butadiene)

87-68-3 21 0.5
74 ノルマルヘキサン(n-Hexane) 110-54-3 1,000 11
75 α-HCH(α-HCH)又はα-BHC(α-BHC) 319-84-6 0.3 0.01
76 β-HCH(β-HCH)又はβ-BHC(β-BHC) 319-85-7 0.9 0.03
77 γ-HCH(γ-HCH)又はリンデン(Lindane) 58-89-9 29 0.04
78

ヘキサクロロシクロペンタジエン(Hexachlorocyclopentadiene)

77-47-4 1.6 8.0
79 ヘキサクロロエタン(Hexachloroethane) 67-72-1 117 2.0
80

インデノ(1,2,3-cd)ピレン(Indeno(1,2,3-cd)pyrene)

193-39-5 2.2 0.1
81 イソホロン(Isophorone) 78-59-1 1,000 51
82 鉛(Lead) 7439-92-1 750 4.0
83 マンガン(Manganese) 7439-96-5 32,000 33
84 水銀(Mercury) 7439-97-6 610 0.7
85 メタノール(Methanol) 67-56-1 1,000 60
86 メトキシクロル(Methoxychlor) 72-43-5 416 12
87 臭化メチル(Methyl bromide) 74-83-9 116 3.0
88

塩化メチレン(Methylene chloride)又はジクロロメタン(Dichloromethane)

75-09-2 210 6.0
89

2-メチルフェノール(2-methylphenol)又はオルトクレゾール(o-cresol)

95-48-7 1,000 9.5
90 2-メチルナフタレン(2-Methylnaphthalene) 91-57-6 1,000 60
91

メチル tert-ブチルエーテル(Methyl tert-butyl ether)

1634-04-4 1,000 24
92 ナフタレン(Naphthalene) 91-20-3 1,000 48
93 ニッケル(Nickel) 7440-02-0 41,000 5.0
94 ニトロベンゼン(Nitrobenzene) 98-95-3 46 1.2
95

N-ニトロソジフェニルアミン(N-Nitrosodiphenylamine)

86-30-6 335 10
96

N-ニトロソジ-n- プロピルアミン(N-Nitrosodi-n-propylamine)

621-64-7 0.2 0.01
97 ポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated Biphenyls)又はPCB(PCB) 1336-36-3 10 0.1
98 ペンタクロロフェノール(Pentachlorophenol) 87-86-5 110 0.2
99 フェナントレン(Phenanthrene) 85-01-8 1,000 72
100 フェノール(Phenol) 108-95-2 1,000 72
101 ピレン(Pyrene) 129-00-0 1,000 72
102 セレン(Selenium) 7782-49-2 10,000 12
103 銀(Silver) 7440-22-4 1,000 12
104 スチレン(Styrene) 100-42-5 1,700 24
105

1,1,2,2-テトラクロロエタン(1,1,2,2-Tetrachloroethane)

79-34-5 8.0 0.2
106 テトラクロロエチレン(Tetrachloroethylene)又はペルクロロエチレン(Perchloroethylene) 127-18-4 190 0.9
107 トルエン(Toluene) 108-88-3 520 5.0
108 トキサフェン(Toxaphene) 8001-35-2 1.5 0.04
109

TPH(C5-C8) (TPH(C5-C8))又は全石油炭化水素(C5-C8) (Total Petroleum Hydrocarbon(C5-C8))

25 1.4
110

TPH(C>8-C16) (TPH(C>8-C16))又は全石油炭化水素(C>8-C16) (Total Petroleum Hydrocarbon(C>8-C16))

25 1.7
111 TPH(C>16-C35) (TPH(C>16-C35))又は全石油炭化水素(C>16-C35) (Total Petroleum Hydrocarbon (C>16-C35)) 8.0 0.1
112

1,2,4-トリクロロベンゼン(1,2,4-Trichlorobenzene)

120-82-1 1,000 24
113

1,1,1-トリクロロエタン(1,1,1-Trichloroethane)

71-55-6 1,400 0.2
114

1,1,2-トリクロロエタン(1,1,2-Trichloroethane)

79-00-5 19 0.8
115 トリクロロエチレン(Trichloroethylene) 79-01-6 61 4.4
116

2,4,5-トリクロロフェノール (2,4,5-trichlorophenol)

95-95-4 1,000 24
117

2,4,6-トリクロロフェノール (2,4,6-Trichlorophenol)

88-06-2 151 4.4
118

1,3,5-トリメチルベンゼン (1,3,5-Trimethylbenzene)

108-67-8 139 12
119 バナジウム(Vanadium) 7440-62-2 1,000 17
120 酢酸ビニル(Vinyl acetate) 108-05-4 1,000 119
121 塩化ビニル(Vinyl chloride)又はクロロエテン(chloroethene) 75-01-4 8.3 0.03
122 メタキシレン(m-Xylene) 108-38-3 210 24
123 オルトキシレン(o-Xylene) 95-47-6 210 24
124 パラキシレン(p-Xylene) 106-42-3 210 24
125 全キシレン(Xylene (Total)) 1330-20-7 210 24
126 亜鉛(Zinc) 7440-66-6 1,000 10

 

特定事業者の義務:

既存の工場、新規の工場ともに対象です。基本的に義務は同様ですが、報告書を提出するタイミングが異なります。
特定事業者に課される法令要求事項は以下の通りです。

報告書  新規工場 既存工場
工場情報(使用化学物質および取扱量等)の届出(省告示付属書3書式) 提出期限:操業開始後180日以内 提出期限:2017年5月29日
土壌・地下水調査の結果報告(省告示付属書4書式)

初回提出期限:操業開始後180日以内

※調査の実施は、操業開始前に行う必要あり。以降、既存工場と同様に、継続的なモニタリング義務あり。

初回提出期限:2017年10月24日

※土壌については3年毎、地下水については毎年、継続的なモニタリングおよび報告義務あり。

汚染軽減対策の提案書(省告示付属書5.1書式) 提出期限:汚染が見つかった日から180日以内  提出期限:汚染が見つかった日から180日以内
汚染軽減対策の実施報告書(省告示付属書5.2書式) 汚染対策実施後 汚染対策実施後

 

土壌調査・地下水調査の実施方法(法令に基づく調査):

調査の実施方法については、次のように定められています。

土壌調査:

初回の土壌のサンプル採取は、観測井戸を設置する際に同時に行い、以下の 2 つの異なる深さで土壌サンプルを採取します。

  1. 上層の土壌サンプル :(舗装材の厚さを含めず)地面からの深さ約 30cm の層で採取。
  2. 下層の土壌サンプル :地下水層と同じ深さの層で土壌サンプルを採取。

なお、基準を上回る汚染が認められない場合は、2回目以降の継続的なモニタリングに際しては、上層(表層)の土壌試料のみを採取します。
ただし、基準を上回る汚染が認められた場合は、場合に応じてしかるべく、サンプル採取の頻度・ポイントを増やさなければなりません。

地下水調査:

地下水のサンプルは、観測井戸から採取します。地下水は、少なくとも工場敷地内に2カ所、井戸を設置することが原則となっています。実際のところは、レイアウトや工場面積に応じて、3~5本程度の井戸を設置する工場が多い状況です。面積が大きい工場では、10本以上の井戸を設置して地下水のモニタリングを行っている工場もあります。

なお、汚染基準を上回る汚染が認められた場合は、場合に応じてしかるべく、サンプル採取の頻度・ポイントを増やさなければなりません。

タイにおける土壌調査・地下水調査の費用(法令に基づく調査):

土壌・地下水調査の費用は、工場の業種や面積などにより、大きく変動します。コストに影響を与える主な要因として、以下があります。

  • 工場の面積およびレイアウト
  • 分析項目(法令に基づく調査の場合は、使用・保管している化学物質の種類により変動)
  • 立地(地下水の深さにより、井戸の設置コストが変わります)

 

大まかに、非常に小規模なローカル工場の場合には10万バーツ(約35万円)~で実施している工場もありますが、多くの日系工場は、20万~70万バーツ(約70万円~250万円)程度の費用が初回調査にかかります。2回目以降の調査(継続的なモニタリング)に際しては、新たに井戸を設置する必要がないので、初回よりコストが下がります。

 タイにおける土壌調査、地下水調査のご相談は弊社までお問合せください。ご提案・お見積りは無料です。弊社の実績については、こちらよりご参照ください。