カーボンクレジットの創出・調達

2050年カーボンニュートラルに向けて

いま、世界中の政府・企業がネットゼロをキーワードに脱炭素化の取り組みを加速させています。気候危機の被害を最小限に抑えるためには、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5度に抑えることが重要であること最新の科学的知見と認識され2021年に開催されたCOP26ではこの「1.5度目標」がグローバルな目標となりました。1.5度目標の達成には、世界全体でCO2を2030年に半減、2050年に実質ゼロにすることが必要であり、この目標の達成に向けて、企業には積極的な脱炭素活動が求められています。

タイ・バンコクに本社を置くグリーンアンドブループラネットソリューションズでは、日本国外に位置する地の利、また世界中のパートナー企業とのネットワークを活用し、海外のボランタリー・カーボンクレジットの創出、調達を行っております。カーボンクレジットに関するご相談は、こちらからお問い合わせください。

カーボンクレジットとは?

カーボンクレジット(カーボンオフセットと称されることもある)は、森林保護や植林、持続可能な農業、再生可能エネルギー発電、省エネルギー機器導入などの脱炭素プロジェクトによって生じるCO2などの温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジットとして発行し、環境商品として取引できるようにする仕組みです。CO2トンを単位として取引されます。

 

コンプライアンススキーム 自主的炭素プログラム
国連が管理 国・地域が管理 民間組織が個別に管理
CDM JCM(日本)、Klik(スイス)など Verified Carbon Standard(VERRA、米国)、The Gold Standard (ゴールドスタンダード事務局、スイス)など

 

カーボン・オフセット・クレジットには、大きく分けてコンプライアンススキームおよび自主的炭素プログラムの2種類があります。コンプライアンススキームとは、国際機関や各国政府が管理するもので、京都議定書の下で実施されるクリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)や日本政府が進めている二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)などがあります。自主的炭素プログラムは、NPOなどの民間団体が運営するもので、最近特に注目が集まっています。

カーボンクレジットと再エネ証書は何が違う?

「再エネ証書」とは風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーで作ったグリーンな電気が持つ環境価値を証書化して取引することで、再生可能エネルギーの普及・拡大を図る電源トラッキング制度です。一方、「カーボンクレジット」は、森林保護や省エネ技術、再生可能エネルギー導入といった事業による温室効果ガスの排出削減効果を取引できる形にすることで、企業による排出量の相殺(オフセット)、ひいてはグローバルな温室効果ガスの削減を目指すものです。

 

主な違い 再エネ証書 カーボン・クレジット
単位 電力量換算:メガワットアワー(MWh) 二酸化炭素換算:CO2ton
由来 再生可能エネルギー発電 温室効果ガスの排出抑制または削減に資するプロジェクト
使用目的 グリーン電力の調達によるスコープ2の排出削減 スコープ1・2・3のオフセット
主張 ゼロ・エミッションなグリーン電力の調達 組織としての温室効果ガス排出削減
発行に際しての追加性検証 なし あり
使用に際しての地理的要求 あり なし
使用に際しての時間軸的要求(ビンテージ) あり 原則なし

ボランタリー・カーボンクレジットとは?

ボランタリークレジットとは、世界で広く使用されているクレジットです。国連や政府部門が主導している制度とは異なり、NGOや企業などの民間部門が主導となったプロジェクトから発行されるクレジットです。企業の自主的なカーボンオフセットの他、国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム(CORSIA:Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)においてもグローバル基準を満たすボランタリー・カーボンクレジットの使用が認められています。

 

プログラム名称 管理団体 クレジット単位の名称 概要
Verified Carbon Standard (VCS) Verra(米国) Verified Carbon Unit (VCU) クレジットの創出・取引量ともに民間プログラムでは最大。世界中の多様なプロジェクトが登録されている。
The Gold Standard (GS) ゴールドスタンダード事務局(スイス) Verified Emission Reduction (VER) 世界自然保護基金(WWF)らによって設立されたプログラムであり、持続可能なプロジェクトからの高品質なクレジット創出に注力している。
American Carbon Registry Winrock International(米国) Emission Reduction Tonne (ERT) Winrock Internationalが1996年に設立した世界初の民間クレジット制度。
Climate Action Reserve (CAR) Climate Action Reserve(米国) Climate Reserve Tonne (CRT) 2001年に米国カリフォルニア州によって設立されたCalifornia Climate Action Registryを前身とするプログラムで、北米・メキシコを対象とする。
Global Carbon Council (GCC) 湾岸研究開発機構(GORD、カタール) Approved Carbon Credits (ACC) CORSIAを念頭に設立された中東発の新興プログラム。

質の高いカーボンクレジットの要件とは?

2023年3月、自主的炭素市場十全性評議会(ICVCM:Integrity Council for the Voluntary Carbon Market)が、クレジットの品質に関する原則であるコア・カーボン・プリンシプル(CCPs:Core Carbon Principles)を発表しました。これらの原則が、カーボンクレジットの品質を評価する上で今後ますます重視されていくことになるでしょう。

CCPsが定める10原則

A) ガバナンス

  • 効果的なガバナンス
  • 追跡
  • 透明性
  • 厳格な独立した第三者機関による妥当性確認と検証

B) 排出への影響

  • 追加性
  • 永続性
  • 排出削減と除去の確実な定量化
  • 二重計上回避

C) 持続可能な開発

  • 持続可能な開発のための便益とセーフガード
  • ネットゼロへの移行に向けた貢献

サービスのご案内

【脱炭素プロジェクトからのクレジット創出】
弊社では、脱炭素プロジェクトからの民間ボランタリークレジット創出に係るご相談をお受けしております。

  • そもそも我々の脱炭素プロジェクトは、登録申請の資格要件を満たしているか?
  • どのプログラムで申請を目指すのがよいのか?
  • 再エネ証書とカーボンクレジット、どちらがよいか?

など、検討を進めるとともにいろいろな疑問や悩みが出てきていませんか?

カーボンクレジットへの登録申請および審査は、非常に複雑なプロセスです。海外ボランタリークレジットには多様なプログラムがあり、またプロジェクトの種類も技術系、自然系含め様々です。登録の資格要件も、それぞれ異なります。
弊社は、海外ボランタリークレジットへの登録申請を行っております。プロジェクト登録申請をご検討の方は、こちらよりお問い合わせください。

【クレジットの調達・購入・使用】

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