タイおよび東南アジア諸国 環境デューデリジェンス

成長市場である東南アジアにおいては、日本企業のみならず、他の先進国や現地企業が有望な企業の買収機会を積極的に模索しています。環境デューデリジェンス(環境DD)とは、M&A (企業買収・合併)、不動産取引、証券化および融資等に際し、土壌汚染のような土地建物の環境上のリスクを明らかにするための調査です。ビジネス、財務、法務等と同様に、M&A等に際して事前に対象会社に関する環境面の問題やリスクを把握する為に実施されます。

弊社GBPでは、タイ現地の環境法令および環境リスクに精通した日本人およびタイ人の専門家がM&A取引の やクライアントのリクエストに応じて調査内容のご提案を行います。対象地や工場における潜在的な環境面の懸念事項をリスク評価し、クライアントにとって最適なアドバイスをご提供いたします。
 

主な環境リスク

代表的な環境リスクとしては、土壌地下水汚染、有害物質(ポリ塩化ビフェニルーPCBーやアスベスト等)や廃棄物の不適切な管理があります。また現地の法令にて要求される環境関連の許認可・届出等の手続きの不備、排水や排ガス等の基準値超過は、罰金や工場操業停止につながる可能性があるため、重要なポイントになります。

なお、M&Aで行う環境DDでは、対象会社から十分な情報が開示されないことがあります。対象工場のロケーションや業種、規模、あるいは政府当局のデータベース等を利用して、事前にどういった環境関連の許認可・届出を行っているか/どういった書類がなければならないかをある程度判断した上で、対象企業から必要な書類や情報を収集することが重要です。また時間的な制約があることも多いため、限られた時間の中で、取引への影響が大きな懸念事項を発見、評価することに主眼を置きます。

環境DDで報告される懸念事項には、一般に以下が含まれます。
• 経営に大きな影響を与える、あるいは当局や近隣住民による訴訟リスクの要因となる可能性がある土壌汚染や地下水汚染(工場の汚染調査の実績、敷地境界を越える汚染拡散の可能性など)
• 当局による罰金や操業停止命令等が科される可能性がある環境及び労働安全衛生に係る法令違反(排水基準や排ガス基準の順守状況、必要な環境許認可および届出等の状況)
• アスベスト含有材の有無と管理状態
• PCBまたはPCB含有廃棄物の有無と処理計画

環境DDの報告書は、取引が成立した後に行われるビジネス統合の際にも参考資料として活用することができます。