タイ財務省物品税局は、2025年4月22日、官報にて「物品税局告示:燃料および燃料製品に対するカーボンプライシングの基準および条件」を公布しました。本告示の目的は、2050年までにカーボンニュートラル、2065年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを達成するという国家目標の表明および国が定めたNDC(自国が決定する貢献)目標を支援するために、タイにおけるカーボンプライシングのメカニズムを整備することであり、欧州の炭素国境調整メカニズム(CBAM)を見据えたものです。従来からアナウンスされていた通り、炭素価格は二酸化炭素換算1トンあたり200バーツに設定され、各種化石燃料に、その排出係数に対応した炭素価格――例えばガソリンは0.447 THB/L、E85は0.069 THB/L、LPGは0.623 THB/kg――が設定されました。本告示によって、タイでもますますカーボンプライシングの議論が加速することが期待されます。

なお、本告示は新たな炭素税を設定するものではなく、この炭素価格は従来の物品税の内側に位置づけられているものです。したがって、一般消費者への直接的な影響はありません。本告示は、2025年4月23日から施行されています。

 

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