タイ内閣は8月26日、「国際カーボンクレジットガイドライン(International Carbon Credit Guideline、英語仮訳)」を承認し、タイ国内で創出されたカーボンクレジットを他国の温室効果ガス(GHG)削減目標に活用するための枠組みを定めました。このガイドラインは、タイの既存のカーボンクレジット管理メカニズムを近代化するとともに、パリ協定(第6.2条および第6.4条)その他の国際的なカーボンクレジット制度と国内の実務を整合させるものです。

クレジットを海外に移転できるプロジェクトとして以下の10類型が規定されました。なお実際に移転するには、移転量がタイの国別削減目標(NDC)行動計画を超過し、さらに追加的な基準(測定・検証可能なGHG削減、能力構築への貢献など)を満たす必要があります。

No.

プロジェクト類型

具体例

1

GHGの回収・貯留・利用

CCS、CCU、直接空気回収(DAC)

2

再生可能エネルギーまたは化石燃料代替

グリーン水素、潮力発電、洋上風力、地熱エネルギー、SAF、グリーンアンモニア製造・利用

3

建築物・工場・家庭におけるエネルギー効率改善

化石燃料炉・ボイラーを高効率電気モデルに置換、産業用モーター更新

4

発電・熱供給における効率改善

エネルギー貯蔵システム導入、農業廃棄物からのグリーンペレット製造による熱電併給

5

輸送部門の排出削減

交通システム電化、水素燃料車、プラグインハイブリッド、燃料電池車、エンジン効率改善

6

産業プロセスや廃棄物管理の改善

低炭素セメント製造、CO₂やグリーン水素を用いたメタノール製造、代替・回収・適正処理を通じたフッ素ガスの利用削減

7

農業・畜産廃棄物管理

土壌管理の実践、稲作におけるメタン削減技術、家畜飼料・品種の改良、農業廃棄物からの高度バイオメタノール製造

8

廃水・固形廃棄物処理

食品廃棄物分解、地域廃水処理システムの高度化

9

森林関連の排出削減

劣化した森林の回復、持続可能な森林管理、炭素隔離のための植林

10

その他

国家気候変動政策委員会が承認し、タイの緩和戦略と整合するプロジェクト

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