タイのエネルギー省は、2020年11月12日、官報にて「エネルギー省令:仏暦2563年(2020年)省エネのための建物の区分又は規模、並びに設計における規格、基準及び方法の規定」を公布しました。本省令は、延べ床面積が2000平方メートル以上の建物(工場を除く)の省エネ設計基準(BEC:Building Energy Code)を定めるものです。本省令を運用するための詳細を定める下位法令として、2021年12月24日に以下2件の法令が公布されました。

  1. エネルギー省告示:仏暦2564年(2021年)省エネのための建物の設計基準値の規定
  2. エネルギー省告示:仏暦2564年(2021年)各システムの省エネのための建物設計、建物の総合的エネルギー使用、及び建物の各種システムにおける再生可能エネルギー使用における計算及び監査結果の承認に関する基準、方法

これらの法令はそれぞれ(1)建物の省エネ設計基準値および(2)省エネ性能の計算方法に関する技術基準や承認手続きの方法等を定めるものです。大きく以下の4項目につき、省エネ基準値を定めています。

  • 建築物外皮の総熱伝達値
  • 建物の最高照明電力密度
  • 空調システムのエネルギー効率
  • 温水器の最低性能及び最低成績係数

一例として、例えば照明については以下の基準値が定められています。

建物の区分 建物の最高照明電力密度
(ワット/平方メートル)
(1) 娯楽施設
(2) ホテル
(3) サービス施設
(4) 医療機関
(5) 教育機関
(6) オフィス又は職場
(7) デパート又はショッピングセンター
(8) コンドミニアム
(9) 集会場

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オフィスビルやショッピングセンター、ホテル、医療施設、コンドミニアム等の建物(新築および既存建物の拡張の場合)は、本省令に基づく省エネ基準を満たさなければなりません。本件に関するご相談は、こちらよりお問い合わせください。