タイ工業省は、2020年5月19日、官報にて「工業省告示:仏暦2563年(2020年)有害物質リスト(第6版)」を公布しました。このたびの改正においては、以下の5物質が農業局管轄のリスト1.1にて第4種有害物質として指定されました。

  • クロルピリホス(chlorpyrifos)
  • クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)
  • パラコート(paraquat)
  • パラコートジクロリド(paraquat dichloride)
  • パラコートジクロリド[ビス(メチルサルフェイト)]{paraquat dichloride [bis (methyl sulfate)]}

 

除草剤のパラコート、クロルピリホスとグリホサートをめぐっては、健康への悪影響が懸念されるとして公衆衛生省が使用禁止を求め、有害物質委員会が2019年10月に同年12月から使用禁止にする決定をいったん下しました。しかし、コスト増加を懸念する一部農家が反対したほか、禁止措置が輸入農産物の残留農薬に対する規制強化につながることを警戒した米国農務省が、特にグリホサートの禁止についてタイ政府に再考を求める書簡を送りました。その結果、有害物質委員会は1ヵ月で同決定を覆すに至りました。このたび公布された工業省告示により、グリホサートは使用継続、パラコートとクロルピリホスについては2020年6月から使用禁止となりました。